初任給の使い道は決まりましたか?
手堅く貯金するのも良いですね(^^)
はたまた、今までの感謝の気持ちを込めて、両親に何かプレゼントをしたり食事に行ったり…
でも、実際にいくら貰えるか知っていますか?
基本給そのままではありませんよ。
健康保険や厚生年金保険や色々引かれるので、実際に初任給として貰える金額は基本給よりも少ないです。
え?これだけ?
って、ならないように社会人として知ってて当たり前の控除額、その大部分を占める社会保険についてご説明します。
*協会けんぽに加入の一般的な会社員の場合について説明させて頂きます。公務員の方が加入されている保険には触れていませんのでご了承ください。
健康保険や厚生年金保険ってなぜ引かれてるの?
初任給から控除される項目で大半を占めるのは、社会保険料です。
一言で社会保険と言っても、「社会保険」と言う保険はありません。
社会保険とは、「健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険」の総称です。
主な内容は下記です。
健康保険
病気やケガなどの際に病院で健康保険証を使いますよね。
その健康保険証を使うための保険料(大雑把に言えば……)
そのほかに、高額療養、出産、育児の際の手当金など給付はさまざま
介護保険
40歳以上から納付する
介護に関するケアのための保険料
厚生年金
主に定年後(老後)の生活保障のための納付
そのほかには、遺族の生活保障や障害状態の生活保障にあてられています
雇用保険
失業時の生活保障(失業保険)やスキルアップのための補助費用のための納付
労災保険
業務中での病気やケガの費用
会社が全額負担するため、給与からは控除されません
簡単に説明するとこんな感じになります。
給与明細を見て「こんなに引かれるの?」って思うかもしれません。
これらの社会保険は、日本で正社員として働いている場合は強制加入です。
これは、健康保険法などの法律で定められている国民の義務なんです。
引かれるだけじゃない!!いざと言うときのために!!
しかし、健康保険や雇用保険は活用出来る場面が結構あります。
例えば、病院で手術することになった場合、一定額以上は払わなくて良いんです。
手術や入院で1か月に掛かる自己負担額が30万円だとします。
でも、「高額療養費」または「限度額適用認定」を申請すれば、自己負担限度額は80,430円です。
(協会けんぽに加入で標準報酬月額が28万円~50万円の場合)
この制度、あまり浸透していないのか申請する人が少ないんです。
きちんと納付しているんだから、貰えるものは貰わないと損ですよね。
「高額療養費」と「限度額適用認定」の違いは、先に払ってから申請して返してもらうか、申請を先にして限度額以上は払わないか、の違いです。
また、「傷病手当金」と言うのもあります。
これは、会社を連続して4日以上同じ病気で休んだ場合、5日目から給与の平均額の2/3が支払われます。
「給与の支給がなかった」が条件になりますので、もし有給を使っていると支払われませんのでご注意ください。
雇用保険は、失業したときだけではありません。
出産手当金や育児休業給付も雇用保険から支払われています。
その他、定年退職後も継続して同じ会社で働いた場合に「高年齢継続給付」が受けられます。
「継続して」が受給のための条件の1つですので1日でも間があると受給出来ません。
また、支給ではないですが、育児休業期間中は健康保険(介護保険含む)と厚生年金保険、雇用保険は免除になります。
納付額って、どうやって決まってるの?
この計算は難しいです。
基本となる給与に含むもの含まないものは、会社の見解によって違ってくるからです。
簡単に言うと、「標準報酬月額」を算出します。
「標準報酬月額」は、過去3か月の支給給与の平均です。
入社したときは、基本給を元に決定し、その後3か月後の給与支給額をもってに改めて金額を決定させます。
(残業代等の支給があり支給の変動が起あった場合、等級が2階級以上変動があれば改定されます。)
ん~、分かり難いですね。
では、一般的な例で計算してみます。
基本給:200,000円
非課税通勤費:15,000円
協会けんぽ加入地:東京都
扶養家族:0人
標準報酬月額:200,000円
(平成29年4月に改定された各県の標準報酬月額はこちらをご参考下さい)
健康保険:9,910円
介護保険:(今回は計算に入れていません)
厚生年金:18,182円
雇用保険料:645円
(平成29年度4月からの一般事業雇用保険料率は3/1000です。)
社会保険料合計:28,737円
課税対象額:171,263円
所得税:3,770円
(平成29年度の給与所得の源泉徴収税額票はこちらをご参考下さい)
控除額合計:32,507円
支給額:182,493円
こんな感じです。
20万円の基本給でこれだけ引かれます。
今回は基本給のみで計算しましたが、手当(家族手当、住宅手当等)は計算に入れていません。
基本給が少なく、手当をたくさん付けている会社はもっと多くなりますね。
まとめ
毎年、保険料率は上がっています。
私が初任給を貰った頃に比べると「え??」って思うくらい引かれています。
法律で決まっているから仕方ないけど…
私はいくらなの?って方がおられましたら、概算を計算させて頂きます。
扶養家族の有無でも所得税の金額は変わりますし、パートの方も状況が違いますしね。
「お問い合わせ」からメッセージ頂けましたら、計算させて頂きますのでお気軽に!!